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光の墓

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督

7/16はアピチャッポンの誕生日だった。
それに合わせたのかわからないが「ユジク阿佐ヶ谷」にてリバイバル上映中だったので
この機会に鑑賞した。

アピチャッポンの作品は幻想的で魅入ってしまうのだがこれは良く解らない
という作品も多々あると自分は思う。
アートだよと言われたらそれまでだ。

「世紀の光」も美しかったし演出と二重構造の脚本はもう何も言えない興味深さがあった。
しかし、あと数回観ないと自分には理解が難しいものだった。

今回の「光の墓」にも構えて観に行ったのだが良い意味で期待を裏切られ恍惚とした。

そろそろ目を覚ましたい女と眠り続けたい兵士の関係性が良かった。

ファンタジーはそんなに得意では無いのだが
アピチャッポンの描くファンタジーはすんなり受け入れられた。
現代のおとぎ話とは良く言ったものだ。


眠り続けてたまに目が覚めるという奇病がまた綺麗な描かれ方だった。
「世紀の光」でもラストに出てきたズンバのような踊り(タイでは一般的なのか?)
がシュールでほとんど曲を使用しないのにそのあたりでやっとBGMらしいものが使われる。

そこはアピチャッポンの好みなのだろうか。

良い作品だった。

ファインディング・ドリー

アンドリュー・スタントン監督
アンガス・マクレーン監督

13年前「ファインディング・ニモ」で周りはクマノミブームだったように記憶する
魚が主役という一見地味な題材なのだがさすがはピクサーそれなりに面白い。
少し絵本の「スイミー」を思い出すなあという感想だった。

そのため、正直今回の「ファインディング・ドリー」に関してはあまり期待はしていなかった。
蓋を開けてみるととうとうピクサー歴代1位の記録になったとか。。。
周りの人の感想を聞いても素晴らしいという評が多く
これは見ないとダメかもしれないと思い映画館に足を運んだ。

製作会社こそ違えど同じくディズニーの「ズートピア」がとても良く出来ていたのだが、正直周りが絶賛するほど
良いとは感じなかった。

今回もそうなるかもしれないと半分タカをくくっていたのだが
正直何も言えなくなってしまった。

まず、海の美しさ、海洋生物の動き、脚本どれを取っても飽きることなく
これはどうなるんだ?何が起きるんだ?とわくわくした上に
この世界を見続けていたいとさえ思った。

そして何より明確にされていないが記憶障害を持っているナンヨウハギのドリー
彼女の自分探しと家族探しの旅が良く出来ていた。
描き方によってはイライラさせられるだけの脇役になりそうなのだが
彼女を掘り下げて描いた脚本がただただ素晴らしい。

1年前のニモの事件からマリーン、ニモ親子と生活を共にし、助けてもらっている
ドリーが今度は障害に負けず親子を助け出そうと奮闘する。

いつしか「ドリーなら?どう考える?」と親子もドリーシンキングでピンチを乗り切る。

途中タコのハンクがバディのような形で出てくるのだが彼がまた良い助け船を渡していく。
彼もストーリーの進行上無くてはならないキャラクターだった。

ズートピアではヒエラルキーを描いてミステリー要素も加えて大人も子供も飽きない展開にさせていた。

ドリーはというと「どんな状況でも諦めずに進めば必ず突破口はある」という精神と家族(あるいはそれに似た何かの関係性)
について考えさせられる。

両者とも今年のディズニーの顔に相応しいアニメ作品だったと同時にディズニーがまだまだ強いということを見せつけられた。

ユニバーサルのペットも共興は素晴らしいようだが、、、ドリーを大変気に入ってしまったため今一つと思ってしまいそうだ。







裸足の季節(原題:Mustang)

ドゥ二ズ・ガムゼ・エルグヴァン監督

2015年度(発表は2016年2月)オスカー外国語映画賞ノミネート作品
美人5人姉妹の閉鎖的な青春劇というといやでもソフィア・コッポラの「ヴァージンスーサイズ」
を思い浮かべてしまう。

どんなものかと劇場へ足を運んだがこれは凄く良い。
舞台はトルコの田舎町で古いしきたりやイスラム教に則ったルールで
女性には特に生き辛い場所だ。

21世紀になり早10数年だが未だに魔女裁判のような
処女検査が存在するのには驚かされた。

年頃の5人姉妹はそんな古い風習が嫌でたまらず他の国のティ-ンと同様に
無邪気に遊ぶ。

それすら主に男たちの怒りを買ってしまい監禁されてしまうのだった。。

この作品は末っ子のラーレの視点で描かれているようだ。
彼女は見た目10歳前後で初めは反発していた姉たちも諦めて
伯父の決めた結婚を次々してゆく中で一人策を練る。

5人の生活は見ているだけで息が詰まるようなもので
宗教が強い場所の恐怖を覚えた。

そんな場面が続くので中心地でサッカーの試合が行われることになり
逃げ出して見に行くシーンでは本当に解放を感じたし
彼女たちの煌めいた表情と髪の毛が印象的だった。

人は何かに支配されると異常をきたすかそれでも自分を保ち脱出するかの
2択なのかと手に汗を握った。

そういえば、トルコ人の知り合いファミリーに招待された際
男性は家族すら禁止の女性オンリーのお茶会をした。
SNSにも女性が映っている写真を投稿しないよう言われた。
彼女は旦那の仕事が大使館関係の為世界各国回っているようで
普通の暮らしなのだが、やはりお祈りとイスラムの衣装は身に纏っての生活だ。
彼女の娘はちょうどこの映画の長女と同じくらいの年齢(17くらい?)だが
自らイスラム教徒の道を選んだと聞いた。
やはり、海外の子供の方が自立心としっかりしている度合が違うなあと感心した。
(ギャング、不良などは置いておいて。。。)

現代日本は災害は多発するものの、平和でまずこのようなことは無いと思う。(極端な村や田舎はわからないが。。)
そんな中で国によってはこんな信じられない状況があるのかと愕然とした。
子供時代くらいそれなりに楽しく過ごしてほしいものだ。。
憲法改正が騒がれる昨今だが。。どうか過去を繰り返す結果になりませんように。

ヒメアノ~ル

吉田恵輔監督

古谷実原作の「ヒメアノ~ル」
彼の作品は「シガテラ」「ヒミズ」しか読んだことは無いのだが
若者の日常(葛藤、無気力)と犯罪を上手く結びつけるので
読後何とも言えない気持ちになる。

そして、今回の「ヒメアノ~ル」もまた若者の日常、恋愛
そして、裏ではサイコサスペンスな犯罪が起こり主役の岡田の
日常にも侵食していく。

特に配役が素晴らしく、夢もやりたいことも無いフリーターの岡田役に
濱田岳。
そのバイト先の先輩で恋愛体質のストーカー気質安藤にはムロツヨシ

そして、主役と呼べるサイコキラーでありヒールの森田役に森田剛

まず、森田剛と聞いて演技が出来るというイメージを持つ人は少数だと思う。

演劇や映画が好きな人間ならば彼の演技が素晴らしいことを知っているだろう。

しかし、アイドルグループV6メンバーの彼しか知らない者は
ただのヤンキーっぽい風体のお兄ちゃん(過去にはあまり良くない噂もあった)
というイメージしか無いだろう。

森田剛が凄いかもしれないと思ったのは
演技者という番組で「マシーン日記」のミツオ役を演じていたときだった。
今回の森田という人物もミツオと多少被る。

一言で言えば「危険人物」

ミツオと異なる点は森田は普段は空を見つめて何を考えているのかわからない
ボーっとした若者というところだろうか。

話を「ヒメアノ~ル」に戻すとまずは良くある邦画のように
岡田と安藤のコミカルなやりとりから始まる。
そこに安藤の意中の女性(作中 運命の女性と言っていたか)
阿部ユカ(佐津川愛美)が加わって安藤の一方的な三角関係となり
少し微笑ましい日常が描かれる。

そして、岡田とユカの交際が始まると同時に
森田の影が忍び寄り最高に格好良い音楽と共に本編が始まる。
それは誰が観ても「あ、これまでが長いアバンだったんだ・・・」
と気づかされる。

そして、森田中心に物語が進むとそれはもう残虐でしかない。
まるでキム・ギドクの映画を観ているような感覚に陥る。

問題であり話題の性交シーンと殺戮シーンを交互に見せる演出は
男女で異なる気持ちになるだろう。
女性である自分は興奮は覚えず、ひたすら痛そうだ・・と月並みな恐怖を感じていた。
そして、人間は意外に簡単に死なない。
そこに恐怖を覚えた。

しかし、森田剛はやはり身体能力が高い。
サイコパスな殺人を犯して行くのだが全てサマになっているのだ。
巨漢な和草に殺されかけた時も鉛筆で見事に頸動脈を刺すのだが
その動きたるや少し見惚れてしまうのだ。

前半は岡田と安藤にしか目が行かないのだが森田が覚醒を始めてからが
飲み込まれる。

そして、濱田、ムロの演技も勿論素晴らしく緊迫したラスト周辺では
2人ともヒロイン佐津川を守る格好良いヒーローのような行動を取る。

岡田が何かに気付いて警察に電話を掛け、ユカの待つアパートまで
急ぐシーンはこちらも「早く!早く!」と拳を握ってしまった。

佐津川の体を張った演技も綺麗な役しかやらない日本のアイドル女優
のイメージを覆す良いものだった。

ムロツヨシのちょっとおかしな中年をやらせたら右に出る者がいない感じも健在で
それでも、この安藤という役はおいしい役だったし、この映画では彼のようなキャラクター
がいないと本当に救いが無かったと思う。

そして、森田にもなぜ彼がこうなったのかという経緯で
高校の頃酷いいじめに遭っていて、本当は岡田と仲が良かったが
岡田も保身の為彼と距離を取るようになったというものだった。

ラストのシーンをどう捉えるかは鑑賞者次第なのだが
観る者によってはせつない友情の記憶だと思うし
サイコパス森田を産む間接的な原因となってしまった岡田の
贖罪は続くという見方も出来る。

しかし、これぞ本物のサイコパスという演技をした森田剛
彼には今後も邦画で活躍してもらいたい。







上半期 ベスト10

SNSで賑わっているこの企画に乗ってみる。

この上半期は例年より邦画を観ていた。
しかしながら、評判の良い是枝監督の「海よりも深く」や「64 前編」を未見なので
そこを入れられないのが心残り。

1 スポットライト

2 Room

3 リリーのすべて

4 ロイヤルコンセンへボウオーケストラ

5 ヒメアノ〜ル

6 帰ってきたヒトラー

7 Civil war: Captain America3

8 ちはやふる 下の句

9 マジカルガール

10ヤクザと憲法

うーん。。。あと数本観たい作品を残しているので
もしかしたら変動するやも。 


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