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裸足の季節(原題:Mustang)

ドゥ二ズ・ガムゼ・エルグヴァン監督

2015年度(発表は2016年2月)オスカー外国語映画賞ノミネート作品
美人5人姉妹の閉鎖的な青春劇というといやでもソフィア・コッポラの「ヴァージンスーサイズ」
を思い浮かべてしまう。

どんなものかと劇場へ足を運んだがこれは凄く良い。
舞台はトルコの田舎町で古いしきたりやイスラム教に則ったルールで
女性には特に生き辛い場所だ。

21世紀になり早10数年だが未だに魔女裁判のような
処女検査が存在するのには驚かされた。

年頃の5人姉妹はそんな古い風習が嫌でたまらず他の国のティ-ンと同様に
無邪気に遊ぶ。

それすら主に男たちの怒りを買ってしまい監禁されてしまうのだった。。

この作品は末っ子のラーレの視点で描かれているようだ。
彼女は見た目10歳前後で初めは反発していた姉たちも諦めて
伯父の決めた結婚を次々してゆく中で一人策を練る。

5人の生活は見ているだけで息が詰まるようなもので
宗教が強い場所の恐怖を覚えた。

そんな場面が続くので中心地でサッカーの試合が行われることになり
逃げ出して見に行くシーンでは本当に解放を感じたし
彼女たちの煌めいた表情と髪の毛が印象的だった。

人は何かに支配されると異常をきたすかそれでも自分を保ち脱出するかの
2択なのかと手に汗を握った。

そういえば、トルコ人の知り合いファミリーに招待された際
男性は家族すら禁止の女性オンリーのお茶会をした。
SNSにも女性が映っている写真を投稿しないよう言われた。
彼女は旦那の仕事が大使館関係の為世界各国回っているようで
普通の暮らしなのだが、やはりお祈りとイスラムの衣装は身に纏っての生活だ。
彼女の娘はちょうどこの映画の長女と同じくらいの年齢(17くらい?)だが
自らイスラム教徒の道を選んだと聞いた。
やはり、海外の子供の方が自立心としっかりしている度合が違うなあと感心した。
(ギャング、不良などは置いておいて。。。)

現代日本は災害は多発するものの、平和でまずこのようなことは無いと思う。(極端な村や田舎はわからないが。。)
そんな中で国によってはこんな信じられない状況があるのかと愕然とした。
子供時代くらいそれなりに楽しく過ごしてほしいものだ。。
憲法改正が騒がれる昨今だが。。どうか過去を繰り返す結果になりませんように。

ヒメアノ~ル

吉田恵輔監督

古谷実原作の「ヒメアノ~ル」
彼の作品は「シガテラ」「ヒミズ」しか読んだことは無いのだが
若者の日常(葛藤、無気力)と犯罪を上手く結びつけるので
読後何とも言えない気持ちになる。

そして、今回の「ヒメアノ~ル」もまた若者の日常、恋愛
そして、裏ではサイコサスペンスな犯罪が起こり主役の岡田の
日常にも侵食していく。

特に配役が素晴らしく、夢もやりたいことも無いフリーターの岡田役に
濱田岳。
そのバイト先の先輩で恋愛体質のストーカー気質安藤にはムロツヨシ

そして、主役と呼べるサイコキラーでありヒールの森田役に森田剛

まず、森田剛と聞いて演技が出来るというイメージを持つ人は少数だと思う。

演劇や映画が好きな人間ならば彼の演技が素晴らしいことを知っているだろう。

しかし、アイドルグループV6メンバーの彼しか知らない者は
ただのヤンキーっぽい風体のお兄ちゃん(過去にはあまり良くない噂もあった)
というイメージしか無いだろう。

森田剛が凄いかもしれないと思ったのは
演技者という番組で「マシーン日記」のミツオ役を演じていたときだった。
今回の森田という人物もミツオと多少被る。

一言で言えば「危険人物」

ミツオと異なる点は森田は普段は空を見つめて何を考えているのかわからない
ボーっとした若者というところだろうか。

話を「ヒメアノ~ル」に戻すとまずは良くある邦画のように
岡田と安藤のコミカルなやりとりから始まる。
そこに安藤の意中の女性(作中 運命の女性と言っていたか)
阿部ユカ(佐津川愛美)が加わって安藤の一方的な三角関係となり
少し微笑ましい日常が描かれる。

そして、岡田とユカの交際が始まると同時に
森田の影が忍び寄り最高に格好良い音楽と共に本編が始まる。
それは誰が観ても「あ、これまでが長いアバンだったんだ・・・」
と気づかされる。

そして、森田中心に物語が進むとそれはもう残虐でしかない。
まるでキム・ギドクの映画を観ているような感覚に陥る。

問題であり話題の性交シーンと殺戮シーンを交互に見せる演出は
男女で異なる気持ちになるだろう。
女性である自分は興奮は覚えず、ひたすら痛そうだ・・と月並みな恐怖を感じていた。
そして、人間は意外に簡単に死なない。
そこに恐怖を覚えた。

しかし、森田剛はやはり身体能力が高い。
サイコパスな殺人を犯して行くのだが全てサマになっているのだ。
巨漢な和草に殺されかけた時も鉛筆で見事に頸動脈を刺すのだが
その動きたるや少し見惚れてしまうのだ。

前半は岡田と安藤にしか目が行かないのだが森田が覚醒を始めてからが
飲み込まれる。

そして、濱田、ムロの演技も勿論素晴らしく緊迫したラスト周辺では
2人ともヒロイン佐津川を守る格好良いヒーローのような行動を取る。

岡田が何かに気付いて警察に電話を掛け、ユカの待つアパートまで
急ぐシーンはこちらも「早く!早く!」と拳を握ってしまった。

佐津川の体を張った演技も綺麗な役しかやらない日本のアイドル女優
のイメージを覆す良いものだった。

ムロツヨシのちょっとおかしな中年をやらせたら右に出る者がいない感じも健在で
それでも、この安藤という役はおいしい役だったし、この映画では彼のようなキャラクター
がいないと本当に救いが無かったと思う。

そして、森田にもなぜ彼がこうなったのかという経緯で
高校の頃酷いいじめに遭っていて、本当は岡田と仲が良かったが
岡田も保身の為彼と距離を取るようになったというものだった。

ラストのシーンをどう捉えるかは鑑賞者次第なのだが
観る者によってはせつない友情の記憶だと思うし
サイコパス森田を産む間接的な原因となってしまった岡田の
贖罪は続くという見方も出来る。

しかし、これぞ本物のサイコパスという演技をした森田剛
彼には今後も邦画で活躍してもらいたい。







上半期 ベスト10

SNSで賑わっているこの企画に乗ってみる。

この上半期は例年より邦画を観ていた。
しかしながら、評判の良い是枝監督の「海よりも深く」や「64 前編」を未見なので
そこを入れられないのが心残り。

1 スポットライト

2 Room

3 リリーのすべて

4 ロイヤルコンセンへボウオーケストラ

5 ヒメアノ〜ル

6 帰ってきたヒトラー

7 Civil war: Captain America3

8 ちはやふる 下の句

9 マジカルガール

10ヤクザと憲法

うーん。。。あと数本観たい作品を残しているので
もしかしたら変動するやも。 


LISTEN

共同監督・撮影・制作:牧原依里・雫境(DAKEI)

渋谷の映画館アップリンクの企画でクラウドファンディングで
資金を集め製作したある種異色作。
友人も関わっており、この作品に参加出来ることは
羨ましくもあり、素晴らしいなあと月並みだが尊敬している。

聾唖という文字は耳と口が申し訳なさげに小さく入る。
「耳が籠る」「口は次」とは良く作ったものだと感心してしまう。
この映画こそがその耳が籠り口は次のハンディキャップを持った
方々が静の中で動を表現するサイレントであって音楽が流れているかのような
不思議な映画だ。

やはり、聾唖というと同情だったり他の人は違うと思いがちだが
この作品に出てくる人はそれを乗り越えたのだろうか
生き生きとしている。

もちろん、過去に「音楽」の授業が嫌で出なかった等
本音も手話によって語られる。

特にこの作品の素晴らしいところは雫境(DAKEI)氏の
振付やダンス指導の力もあるのだろうが
耳栓をして自分の鼓動や脈打つ音を感じながら
彼らのダンスを見るとそれ以外に曲が聴こえる感覚に陥る。

昨年からハンデを持った人の作品に出会うがどれも良く出来ている。
今後もこういった作品は積極的に鑑賞したい。

そういえば、アメリカのコミック界のアカデミー賞「アイズナー賞」
を受賞したマット・フラクション先生のホークアイシリーズ
でも常人ヒーローホークアイが敵の攻撃により途中から聴力を失い補聴器を使って生活するのだが
全編手話で表現しているEPがある。

21世紀なのだからそういう差別的な描写はナンセンス。
もっとオープンに行こう!
と言われているかのような衝撃を受けた。
実際、このコミックは良く出来ておりまたこんな切り口のアメコミが
出ないものかと待ち望んでいる。

そして、このLISTENでも同じように
同情や奇異の目で見るのではなく
彼らの可能性を広げて行き共存していける世の中になると良い。

LORA 

ジャック・ドゥミ監督

ジャック・ドゥミの初期作品である「ローラ」彼の後々の作品にある
要素が詰まっており、とても美しくも何とも言えないドラマになっている。

ドゥミの故郷のフランス ナントで撮影。
ナントに行った際、小さいながらもアートや音楽で充実しており
パリなどの大きな都市とは違い人も暖かかったのですっかり虜になってしまった。

この作品でも数十年前とは言えパッサージュはほぼそのままだったが
数か所だけで撮ったようでもっと素晴らしい場所はたくさんあるはずなのに・・
という残念な気持ちもあるが作品自体そうそう明るいものではないので
逆にこの撮り方で良いのかもしれない。


シングルマザーのローラには待ち続けている恋人がいる。
子供を育てながらダンサーをして、その美貌なので恋人候補は
複数いるのだが、心の中はいつもその恋人でいっぱいのローラ。
彼を待ちながらナントのキャバレーで踊り子として働くが。。。

ローラの少女時代と人生が被るように14歳の少女が影のヒロインのようになっている展開が
また素晴らしく、すれ違い続けて会えない撮り方は「ロシュフォールの恋人」を彷彿とさせる。

ローラを好きだと気付く幼馴染は後の「シェールブールの雨傘」で宝石商になってカトリーヌ・ド・ヌーヴと
結婚するのだが彼はシングルマザーに縁があるなあ。。

恋とフランス郊外とダンスや音楽などドゥミ作品要素はほぼ入っているのだが
ストーリーによってこうも異なる見え方がするのでジャック・ドゥミの作品はやはり良い。

この「ローラ」も続編があるのだがこちらは未見なのでそろそろ観たい。

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