リリーのすべて(The Danish Girl)

トム・フーパー監督

16/3/9ジャパンプレミアにて先行鑑賞

トム・フーパーといえば「レ・ミゼラブル」で主要キャラクターが
歌う際、カメラ目線でどんどんアップになってゆくという迫力のミュージカルに
仕上げたのが記憶に新しい。

この「リリーのすべて」を仕上げたのに12年以上掛けたとのことと
実はレ・ミゼラブルでのアーケードシーン撮影の際、エディ・レッドメインには
先に脚本を渡していたようだ。

彼も読んで即座いつから撮るのかと興奮気味で承諾したとの微笑ましいエピソードも聞けた。

この話は事実に基づくものだが、やはり同性としてはアリシア・デキャンター演じる妻のゲルダの
やりきれない気持ちと夫を愛する気持ちを考えると何とも言えない感情が芽生えた。

エディ・レッドメイン演じる夫のエイナル(リリー)は今で言う性同一性障害なので
リリーという女性人格になり、奔放に振る舞う。

エイナルがメイクをするとそれはもう美しい。
どんなに減量してもやはり、女性としては無理があったが
それでも美しく艶っぽい。
特に、フランスに移住した際の娼婦館の覗き小屋のようなところで
エイナルが娼婦の仕草を真似するのだが、並みの女性より妖艶だった。
表情が女性だったのにゾっとした。
演技であんな表情が出来るものなのか・・・

そして、ゲルダがリリーを描いた途端才能が開花するというのは皮肉なものだったが
やはり、ゲルダが描くリリーは特別な魅力があったように思う。

ゲルダはエイナルがどんな状態になっても傍に寄り添った。
リリーのときもエイナルのときも。
女性になろうとする夫に対して戸惑いながらも認め最後まで寄り添う
ここまで出来るのは心より彼を愛していたからだろうけれど
見ていて身につまされる思いがした。

リリーは「今の体は本当の私じゃないの」と強く主張していたが
さぞかし辛かっただろう。
当時前例が無い性転換手術に対しても「唯一の希望」と表現していることで
良くわかる。

余談だが日本版のポスターが
どちらかというと魔性の女風に描かれているリリーだが、対して
振り回され、傷つくが最後まで彼と彼女を愛したゲルダの関係が
良く現されていると思う。

自分を隠さずに生きようとするのは世界共通で苦難が伴うものだと痛感する。





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オデッセイ(The Martian)

リドリー・スコット監督

原作、映画共にアメリカでも評価の高いという話を聞いていたので
ずっと楽しみにしていた。

宇宙飛行士のワトニーは火星有人探査隊のクルーとして参加していた。
しかし、アクシデントでワトニーだけ火星に取り残されてしまった。
そこから彼のいかに生き延びるかの戦いが始まった。

宇宙で一人残されると聞くと最近では「ゼログラビティ」が印象に強い。
しかし、この話は真逆で悲壮感漂うどころかコメディタッチで物事が進む。
アクシデントで命の危険に晒されかけようが、地球の皆に死んだと思われようが
逆境をアップテンポなディスコミュージックと共に駆け抜いてゆく。

感謝祭用のじゃがいもを見て栽培を始めるところなどワトニー
というより、賢い人間はどこでも生きてゆけるなあと感動すら覚えた。

サントラとして活躍する60~80年代のディスコミュージック達だが
歌詞に重ねた状況がまた笑いを誘う。

地球サイドも様々なドラマがあるのだが
この状況下で誰一人としてヒステリックな声をあげたり
怒鳴り散らすということをしない。
それもあってか観易い上に集中できた。

しかし、ワトニーの精神力は並大抵ではない。
そうでないと宇宙飛行士になんてなれないのだろうか。
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