ガールズアンドパンツァー劇場版 立川爆音

水島務監督

2012年の秋頃だったか友人に会った際
最近、始まった女子高生が部活で戦車を乗り回す
アニメを観ている

と言われ、正直意味がわからなかった。

数年後の劇場版鑑賞後、まさか全話観ることになるとは
夢にも思わなかった。

銃器は好きで多少知識があると自負するが
戦車となると有名所のティーガーくらいしか
知識が無い自分だったが各戦車の製造背景や奥深さとデザインに
惚れ惚れしてしまった。

この作品については簡単に説明すると
茶道、華道のように戦車道という女性のたしなみ
が存在する。
そして、スポーツとして各学校が対戦する。
殲滅戦、フラッグ戦と2種類の戦い方が存在し
前者はその名の通り相手側を走行不能にする
後者はフラッグ車を一台決めてそれを走行不能にすれば
勝利となる。

戦車はトンあるので普通の道路は走れないが何か
加工がしてあるのか問題なく街中を走る
特殊なカーボンのお蔭で爆撃に遭っても問題ない
いくら小型戦車とはいえイタリアのカルロ・ヴェローチェCV33
を女性数名で転がす
などちょっと気になる点はあるのだがアニメーションなので
突っ込むのは野暮なのだろうか。。

今回の劇場版ではアニメで撤回されたはずの
主人公西住流の次女 西住みほ率いる
大洗女子高校が廃校の危機が再度押し寄せる。
そこで、本撤回になる条件が「数年後に控えた戦車道の世界大会選抜チームに
勝利すること」だった。

自分もそうだったのだが、このガルパン劇場版に於いては
是非立川爆音上映で観て頂きたい。

というのも自分は
初回 立川爆音
2回目 立川爆音
3回目 4DX
で鑑賞したのだが爆音の音質が良すぎて
4DXの音質じゃ満足出来ないのと他の人たちが言う
「戦車に乗っている」という感覚があまりピンと来なかったからだ。

立川爆音シリーズでもこのガルパンは特に力を入れていると思う。
他数本爆音で鑑賞したがどれもガルパンの音には敵わないのだ。

冒頭のエキシビジョン戦での重低音、対 選抜チーム戦
どれも素晴らしく伴う音楽もマッチして心は高揚する。

そうすると、女子高生が戦車を乗り回すというミスマッチな描写も
なぜかスポーツものとして受け入れることが出来てしまう。

本来、戦車とは戦争で使用する武器で大量殺戮兵器でもあるのに
可愛らしいキャラクターデザインのお蔭なのかそれは戦争ではなく
あくまでスポーツとして認識してしまう。

逆に、最近鑑賞した「ガンダムオリジンⅢ」での暁の蜂起は
完全に戦争だった。

ストーリーや設定に惹かれなくとも
立川シネマシティの音響チームが本気で
作り出した音を聞きに是非一度は観てほしい。

2016年9月まで延長上映が決定し
OVA これが本当のアンツィオ戦です!
やアニメシリーズ全話オールナイト上映企画も
あるので興味が湧いたらそちらも是非。
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空を飛びたい盲目のブタ(原題:Blind Pig who wants to Fly)

エドウィン監督

2009年様々な映画祭で受賞したり上映された作品で
インドネシアの作品なのだが、東南アジア監督の作品は何となく
それぞれ色は違うのだが似たようなスピリッツを感じる。

アピチャッポンにヤスミン ツァンリャイミンもそうだろうか

この作品は数組の男女の話が同時進行で進む。
こういったパターンの映画は人物を追いきれないこともあるが
これは男女といっても親子ほど年が離れた二人や子供など様々なので
それぞれの人生が面白い。

盲目の歯科医のターンは印象的で、スティービーワンダーのI Just Called to Say I Love Youを熱唱しながら
治療する。
盲目にかけてのチョイスであろうし、ベタだが良かった。
彼のターンでは更に衝撃的な展開があるのだが、、、これは鑑賞した者だけの秘密にしたいところだ。

その他中国人のリンダが花火を食べる芸を行う。
そのあたりも大分衝撃的だった。

インドネシアにおいて中国人の割合は6%とのことで、これまたヤスミン監督の
「細い目」を思い出す。

やはり劇中で中国人という事で差別的な発言をされていたりした。
日本はマイノリティが少ない国なのでどうも実感しづらいのと
なんだかんだで海外の人々には気圧されてしまいがちなので表に出るくらいの
差別はあまりしないのだろうか?

この作品自体明るい内容ではないのだが
インドネシアにもう一度行きたくなった。



エヴェレスト 3D

実話に基づくストーリーの中では自然の恐ろしさと人間の脆さを嫌というほど見せつけられた。
素人をエヴェレストに登頂させるというビジネスがあるということも初めて知った。
エヴェレストに登りたい猛者は世界中にごまんといるらしい。

1996年、実際にエヴェレストで大遭難事故が起こった。
その中に日本人も一人いたので日本でもニュースになったのだろうけれど自分は子供だったからか記憶が無い。
その事故を元にして映画化となったのだが、観ている方としては自然にはやはり勝てないし人はこんなに簡単に死ぬのだなあと月並みなことを思った。

 AC社のAC隊 隊長のロブを中心に顧客と他サポート隊員とでエヴェレスト登頂を目指しそれぞれ期待に胸を膨らませていた。
しかし、エヴェレストはそうそう温かく出迎えてはくれず、さっそく登頂日に嵐がくるとの予報が響いた。

途中様々なアクシデントがテーマパークのライドのように襲い掛かる。
しかし、助けてくれるヒーローもご都合主義なラッキーも起こらない。
彼らに襲い掛かるのは現実だけだった。
特に、酸素ボンベが無いくだりと去ったと思った嵐が再び襲って来たくだり
こんなに映画的なのに現実で起こったのだから背筋が凍る。
この映画にはヒーローも神もいないのでこうなったら自分たちの体力と気力が勝負である。
しかし、動けない状態で暖も取れずに極寒の山で人間が生きていける確率はゼロに近い。
バタバタと人が凍りついて動かなくなる、体温調節がおかしくなり脱ぎ始め落ちてしまう、凍りついてゆくなかでも
限界まで諦めず頑張るが隊員はほぼ亡くなったのだった。

隊のチームマネジャーもベースキャンプで泣きながら「応答して!」と呼びかけるも人間限界がある。
無事に還らなかった隊員や顧客の家族にどんな思いで連絡したのだろうか、それを思うとキリが無いのだが
考えさせられてしまう。

山が好きで、このようなリスクも承知で承諾書にサインするのだろうが実際、死ぬとは皆思っていないだろう。
今は、この事件を教訓に安全性重視で開催されているのだろうが、色々な意味合いでエヴェレストとは本当は人間が立ち入ってはならない場所なのだろう。

しかし、無情にもそびえたつエヴェレストは見事なまでに神々しかった。
そこに神は絶対にいないのだけれど。

コードネームU・N・C・L・E(原題:The Man From U・N・C・L・E)

ガイ・リッチー監督

2015年はスパイ映画が目白押しだった気がする。
キングスマン、007、MI、そしてこのコードネームU・N・C・L・E

何よりも気になったのは原題の「The Man From U・N・C・L・E」
直訳すると「伯父さんから来た男」になってしまう。
そんなはずはないので少し調べてみたら
やはり、ストゥ夫人著「アンクルサムの小屋」のことでイコールアメリカを指すらしい。
アメリカ人にとってはその言葉は常識らしく=アメリカと大体の人が解るらしい。
そして、それを踏まえて訳すと「アメリカから来た男」になるのだろうか。
そうなるとストーリーと繋がっているし、すんなり入ってくる。

しかし、エンドロールで「ああ、U・N・C・L・Eってその略ね」となる。

そして肝心なストーリーはというと、舞台は1960年代前半、世界的なテロを阻止するためCIAのナポレオン・ソロ(ヘンリー・カーヴィル)がKGBのイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)と組んでイタリアでひと暴れとまとめてしまうとこんな話だ。
しかし、アメリカとソ連(今はロシア)なんて今でもそんなに良好な関係ではないが、当時は油と水ほどの関係だったのではないか?
それなのに仕事とはいえタッグを組むとは身も蓋も無い話だ。
案の定、アメリカ側は軟派なスパイでソ連は硬派。それぞれ協力するよりは対抗しながら自分のやり方で仕事を遂行。

特にイリヤが必死で戦ってる後ろでナポレオン・ソロは美味しそうにサンドウィッチを食している。
更にワインまで飲みだす始末。

この作品、全体的にスタイリッシュな作りになっているのだが、特に衣装が素晴らしい。
イタリアにぴったりな目の覚めるような配色にレトロなデザインがキャッチ-だ。

イタリアなだけあってもちろんバイクはVespaだ。余談だが、いつかイタリアでVespaを乗り回したい。。

そして、ヒロインのギャビー・テラー(アリシア・ヴィキャンター)がまた人形のように愛らしい。
ただ、愛らしいだけでなくなかなか強かだった。

笑えてスパイアクションとしても、もちろん楽しめる良い作品だった。



アンジェリカの微笑み(原題:O Estranho Caso de Angelica)

マノエル・デ・オリヴィエラ監督

人は死体に一目ぼれをするのだろうか?
ただし、ネクロフィリアでない普通の青年のケースだ。

ポルトガルのポルト近郊の街に暮らす青年イサク
彼は写真家だ。
ある雨の夜、上流階級そうな婦人に「娘の死に顔の写真を撮ってほしい」
と頼まれる。
屋敷に行くと眠っているように見える美しいブロンドの娘アンジェリカの姿があった。
イサクが写真を撮るとファインダー越しにアンジェリカが目を開いて微笑みかけた。
その日からイサクはアンジェリカに恋い焦がれおかしくなってゆく。

世界最長齢の監督マノエル・デ・オリヴィエラの遺作となった
この作品はとてもロマンティックなラブストーリーに仕上がっている。
ただし、人によってはホラーに見えたり、おかしな話だったで終わるかもしれない。
そして、美しいショパンの曲に乗せて、一切現代の曲は使用していないのもこの作品の雰囲気に合う。

アンジェリカを演じるのは「シルビアのいる街で」「女王ファナ」のピラール・ロペス・デ・アジャラ
彼女は今回ブルネットに近いブラウンからブロンドに変えて挑む。
ほぼ、眠るだけで一言も発しないのだが、印象的で人の心を掴むには充分な
美しさだ。
ジャック・ドゥミ監督の「王女とロバ」のカトリーヌ・ド・ヌーヴを思い浮かべるほどである。

イサク役にはオリヴィエラ作品の常連、ダルデンヌ監督作品で例えるとオリヴィエ・グルメのポジションのリカルド・トレパ。
ラテンの国には似合わない神経質そうな青年に扮している。

劇中、アンジェリカに心奪われ
毎晩アンジェリカの幻想か幽霊に誘われ2人は抱擁しながら星空を漂う。
このシーンが印象的で美しいのだが
カレル・ゼマンの「ほら、男爵の冒険」の切り絵を思い出す。
ぼんやりした霧のような二人が夜空に浮かぶ姿は美しい。

イサクは普段は近くの畑を耕す農夫たちの写真を撮る
無心で撮る様はホラーのようだ。
しかし、裏腹に農夫たちは良い顔をして写真に写る。

昼間の生活とは異なり、毎晩のアンジェリカとの逢瀬は
夢物語のようで鑑賞している側もうっとりしてしまう。

そして、朝になるとイサクはアンジェリカを探し求めてしまうのだ。
「アンジェーーーーーーリカ!!!!」という悲痛な叫びは
シーンによってはコミカルに見えるのだが彼の気持ちが解らなくもない。

ある日の昼間、アンジェリカが来た際、イサクは堪らず身体が邪魔だと
自らの肉体を捨ててしまう。
そして、2人とも魂のまま抱き合うのだった。

何て美しい話なのか。
これをラブストーリーなどと
そんな陳腐な表現でまとめたくはないが

これは紛れもなくある青年がある女性に魂ごと捧げた愛の話だと思う。







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